言ば・謂ば(読み)いわば

精選版 日本国語大辞典 「言ば・謂ば」の意味・読み・例文・類語

いわ‐ば いは‥【言ば・謂ば】

〘副〙 (動詞「いう(言)」の未然形に、接続助詞「ば」の付いたもの) 言ってみれば。たとえて言えば。たとえば。
古今(905‐914)仮名序大伴黒主はそのさまいやし。いはば、たきぎおへる山人の、花の陰にやすめるがごとし」
[語誌]元来、未然形+「ば」で仮定を表わす用法漢文訓読ではふつう用いられず、中古では、「古今」の仮名序のほか用例が乏しく、「源氏」等の物語や日記類、「今昔」などには例がない。中世では、もっぱら和文の流れを汲む論説的文体で用いられ、「ロドリゲス日本大文典」にも「例へば」、「物ならば」、「申さば」とともに「説明・比喩」の副詞として掲げられている。

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