見・見栄・見得(読み)みえ

精選版 日本国語大辞典 「見・見栄・見得」の意味・読み・例文・類語

みえ【見・見栄・見得】

〘名〙 (動詞「みえる(見)」の連用形の名詞化)
① (見) 見えること。見えるさま。見た目。みば。
役者論語(1776)耳塵集「小足にあるき、度々刀を杖につくは見へあしく」
② (見栄) (他人によく見られるように)うわべを飾ること。他人の目を気にして不相応な体裁をつくろうこと。
洒落本辰巳之園(1770)自序「『どこへなりと行ますべい』『そんならもっと、身重(ミヘ)をして来やうものを』」
五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉一「さりとは外見(ミエ)を捨てて堅義を自慢にした身の装り方」
③ (見得) 歌舞伎で、役者の感情または動作の高揚頂点に達した時、一瞬動きを停止して、あるポーズをつくる演技。
※歌舞伎・韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)一「とど宜しく有て、伝七、急度見へに成る」
④ 歌舞伎脚本で、単に様子・姿の意にも用いる。
※歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)四「妾めいたる形にて〈略〉、此着物を縫てゐる見へにて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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