西江寺(読み)せいごうじ

日本歴史地名大系 「西江寺」の解説

西江寺
せいごうじ

[現在地名]三次市三次町

比熊ひぐま山東南麓にあり、臨済宗妙心寺派。松雲山と号し、本尊薬師如来。

「双三郡誌」に「天平宝字年中、恵美押勝、三吉郡に来り荒尾山今の比叡尾山の麓に一宇を建立し、守本尊薬師如来を安置し、医王山高源護国寺と号せしといふも明ならず」とあり、もと天台宗で畠敷はたじき町の比叡尾ひえび山の麓にあったと伝える。中世、この地方の領主三吉氏が菩提寺として再建、禅宗に改め、京都南禅寺の平田開山とし高源こうげん寺と称した。天文二年(一五三三)山陰の尼子氏が三吉氏を攻めた際、兵火にかかり、天正年間(一五七三―九二)三吉氏が本拠を比叡尾山城から寺戸てらどへ移したとき、高源寺は一時三次郡石原いしはら(現双三郡君田村)に移って清岩せいがん寺と改称したが、三吉氏が比熊山に入城のとき、この寺も城内に移転した。

西江寺
さいこうじ

[現在地名]今津町藺生

集落から西に離れてある。日照山と号し、臨済宗東福寺派。本尊釈迦如来。延久年中(一〇六九―七四)河上かわかみ荘が藤原頼通の家領となり、荒谷あらたに山中に建てられた釈迦堂を西江寺と称したという。また一説には鎌倉時代末期の学僧虎関師錬の弟子である大亀契広が道場として開いたとも伝える。元亨三年(一三二三)火災で焼失し、寺地を移して円明えんみよう寺と改める。

西江寺
せいごうじ

[現在地名]宇和島市丸穂

辰野たつの川右岸にある。仏日山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。開山は聖一国師の法孫悟庵である。もと現在の竜光りゆうこう院の寺地にあったが、寛永二年(一六二五)竜光院創営のため現在地に移転し、伊達秀宗庇護を得て、祝森いわいのもり村で田租三〇石を与えられた。宇和島市の寺院中最も古い起源をもつ寺の一つである。昭和二〇年(一九四五)戦災本堂庫裏などのおもな建物を焼失し、のち再建された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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