西川扇蔵(4世)
にしかわせんぞう[よんせい]
[生]寛政4(1792)
[没]弘化2(1845).3.2.
日本舞踊家。1世藤間勘十郎の高弟。前名藤間勘助。文政6 (1823) 年西川家の養子となって4世扇蔵を襲名。2世とともに振付の名人といわれ,舞,踊り,振りの3要素を巧みに融和させ,『勧進帳』や多くの変化舞踊を作った。西川流の全盛期を築き,その門弟から5世扇蔵,1世西川鯉三郎 (名古屋西川流祖) ,西川芳次郎 (のちの花柳流祖花柳寿輔 ) らの秀才が輩出した。
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世界大百科事典(旧版)内の西川扇蔵(4世)の言及
【勧進帳】より
…[歌舞伎十八番]の一つ。3世[並木五瓶]作,4世[杵屋(きねや)六三郎]作曲,4世[西川扇蔵]振付。1840年(天保11)3月江戸河原崎座初演。…
【五郎】より
…作曲10世[杵屋(きねや)六左衛門]。振付4世[西川扇蔵]。通称《雨の五郎》《時致(ときむね)》。…
【座頭】より
…もとは長唄と掛合であった。振付2世[藤間勘十郎],4世[西川扇蔵]。盲目のあんまに縫いぐるみの犬がからむ踊りで,犬のクドキなど,滑稽味が濃い作品。…
【三人生酔】より
…1824年(文政7)5月,3世坂東三津五郎,7世市川団十郎ほかにより江戸市村座で初演。2世[桜田治助]作詞,初世[清元斎兵衛]作曲,3世[西川扇蔵]らの振付。朝顔売,水売,芸者がそれぞれの酔態をみせる。…
【鳥羽絵】より
…作曲清沢万吉。振付藤間勘助(のちの4世[西川扇蔵])ほか。江戸時代の戯画([鳥羽絵])からとった題材で,枡(ます)を持ち鼠を追いかけてきた半裸の下男の滑稽な踊り。…
【供奴】より
…作曲4世杵屋三郎助(10世[杵屋六左衛門])。振付市山七十郎,藤間大助(2世[藤間勘十郎]),4世[西川扇蔵]。供をして廓(くるわ)へいく奴を描く。…
【鳶奴】より
…鰹を取り返そうとするさまや鳥刺の振りなどを見せる軽快な踊り。のちに8世団十郎は4世[西川扇蔵]による別の振付で踊った。【如月 青子】。…
【花柳流】より
…流祖は初世[花柳寿輔](じゆすけ)。寿輔は4世[西川扇蔵]の門弟として西川芳次郎を名のったが,4世扇蔵の没後,西川流から独立して,1849年(嘉永2)花柳芳次郎と改名,花柳流を創立した。初世は振付の才能に恵まれ,幕末から明治の劇壇で名振付師として活躍したが,9世[市川団十郎]と不和が生じ,劇壇から遠ざかり,1903年没した。…
【瓢簞鯰】より
…作曲10世[杵屋(きねや)六左衛門],3世[岸沢式佐]。振付4世[西川扇蔵],藤間大助ほか。じゅばん一枚の男が瓢簞で鯰を押さえようとする[大津絵]から題材をとった作品。…
【藤娘】より
…作曲4世[杵屋六三郎]。振付藤間大助(2世[藤間勘十郎]),4世[西川扇蔵]。大津絵にある藤の枝をかついだ娘が絵からぬけ出して踊る趣向であるが,6世尾上菊五郎が1937年3月に藤の花の精として上演して以来,これを踏襲することが多い。…
【将門】より
…1836年(天保7)7月江戸市村座一番目狂言《世善知鳥相馬旧殿(よにうとうそうまのふるごしよ)》の六建目大詰に初演。作詞宝田寿助,作曲5世[岸沢式佐],振付4世[西川扇蔵]。傾城如月(きさらぎ)実は平将門の娘滝夜叉姫を市川九蔵,源頼信の臣大宅太郎光圀を12世市村羽左衛門が演じた。…
【三つ面子守】より
…作詞[津打治兵衛],作曲[名見崎徳治]。振付4世[西川扇蔵]。四変化物の一。…
【宗清】より
…作曲5世[岸沢式佐]。振付4世[西川扇蔵]。3世[坂東三津五郎],2世岩井粂三郎(6世[岩井半四郎])の所演。…
【六歌仙】より
…作曲10世[杵屋六左衛門],初世[清元斎兵衛]。振付2世[藤間勘十郎],4世[西川扇蔵],中村勝五郎。僧正遍照,在原業平,文屋康秀,喜撰法師,大伴黒主を踊り分ける五変化で,それぞれが小野小町(《[喜撰]》では茶汲女,《[文屋]》では陰の存在)に思いを寄せるが受け入れられない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」