西坂町(読み)につさかまち

日本歴史地名大系 「西坂町」の解説

西坂町
につさかまち

[現在地名]相川町西坂町

広間ひろま町にある奉行所の腰部にあたり、かつては雑木の生い茂る傾斜地であった。享保四年(一七一九)上町かみまち台地と下町を結ぶ新坂につさか道を開いたもので、「佐渡風土記」は、「六月八日七軒屋しちけんやより籠坂ろうさかえの新道出来、則七軒坂しちけんざかと唱候様被仰出、同日制札御建被成候」と記すが、翌五年には西坂と改められている。「佐渡相川志」には町の長さ八一間三尺、御陣屋まで四七間とあり、元禄七年(一六九四)検地は行われていない。その後、通りに面して町屋敷が開かれ、五世帯の町人が居住した。「佐渡年代記」に「善知鳥神事の節、神輿西坂を為登、御役所前引渡し門前にて祈祷をなさしむ、奉行は普請所へ出、祭礼を見る」とあり、祭礼の神輿渡御の道筋を定めたのは、籠坂より勾配が緩いため安全を考えたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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