西坂(読み)にしざか

日本歴史地名大系 「西坂」の解説

西坂
にしざか

[現在地名]長崎市西坂町

江戸時代、岩原いわはら村内にあった地名で、長崎市中に隣接する。寛永長崎港図に「西坂町」とあり、本蓮ほんれん寺が記される。元禄一一年(一六九八)四月後興善うしろこうぜん町の出火による大火で「本蓮寺西坂」まで類焼したという(唐通事会所日録)。磔ならびに死罪は西坂で行われた(崎陽群談)。宝永四年(一七〇七)三月樺島かばしま(現野母崎町)で抜荷をした者が西坂で磔・斬罪に処され、その荷は旧例どおり唐人屋敷の波止場で焼捨てられた(唐通事会所日録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の西坂の言及

【刑場】より

… 京都においては粟田口(あわたぐち)と西土手(にしのどて)に〈東西御仕置之場所〉が置かれ,大坂は千日,野江,鳶田(とびた)などの刑場を有した。このほか幕府直轄地では,長崎の西坂,横浜の暗闇坂(くらやみざか)の刑場が外国人にも知られていた。在方でも先例ある地,牢屋近所,村末などを処刑の場にした。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」