西仲宗根村(読み)いなかずうにむら

日本歴史地名大系 「西仲宗根村」の解説

西仲宗根村
いなかずうにむら

[現在地名]平良西仲宗根にしなかそね

北は西原村(ニスムラ)、南から東にかけては東仲宗根あがなかずうに村に接する。西部は大部分が荷川取んきやどうら村に接するが、地内の真玉まだま染地すうみず平良ぴいさら内海に臨む。方音ではイナカズゥニ。平良間切に属し、平良五ヵ村の一つ。漲水ぴやるみず御嶽の創世神話によれば、創世の女神嘉玉神の領地が西仲宗根であるという(宮古島記事仕次)。地内に一四、五世紀の遺跡と考えられる保里ふさてい遺跡・船立堂ふなだていどう遺跡・白明井すさかがー遺跡・上ヌ頂ういぬつづ遺跡・尻川ししがー遺跡があり、土器や輸入陶磁器が出土する。地内で最も崇敬されている真玉御嶽にはカネドノ(金殿)・マツメガという夫婦が祀られており(御嶽由来記)、ユーダミ(豊年祭)・リュウグニガ(竜宮願)・ユークイ(世乞い)などの祭祀が行われている。真玉にある仲宗根豊見親の墓は県指定史跡で、知利真良豊見親の墓・あとんま墓を含めた三基は、豊見親の墓として国指定重要文化財。遺跡を伴う拝所船立御嶽(船立堂御嶽)では男神カネドノ・女神シラコニヤツカサが祀られ、宮古島に鉄の農具を広めたという伝承があり、今でもフーツキヨーカ(鞴祭)・カンジャーニガ(鍛冶願)が行われる。西部の保里御嶽も遺跡を伴うが、その伝承によれば、昔、西仲宗根村の主保里天太に保古利屋盛・クジサカリという子がいたが、兄の保古利屋盛は器量に恵まれて兵法の達人であった弟を妬み、悪い噂を流して村人を扇動して村から追出した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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