西今井館跡(読み)にしいまいやかたあと

日本歴史地名大系 「西今井館跡」の解説

西今井館跡
にしいまいやかたあと

[現在地名]境町西今井

南流するはや川の蛇行点を利用し、南岸に立地。道忍どうにん屋敷ともよばれる。現在内郭跡に屋敷をもつ茂木吉一氏所蔵の江戸時代中期と推定される絵図に館跡の状況が詳細に記される。早川に接して内郭(東西八〇メートル、南北六三メートル)があり、その東・西・南に郭が付属する。郭間は水路(幅三―四メートル)で隔てられ、取水口によって調整された早川の水が館の周囲に蓄えられ、必要に応じ水門から放出され南の水田を潤す仕組になっている。館そのものが早川の水利調節の役割を果していたと思われる。当館は、中世期上今井郷に属し、弘安三年(一二八〇)の源輔村、同一〇年の同人と推定される源資村の長楽ちようらく(現新田郡尾島町)への寄進状(長楽寺文書)にそれぞれ記される「今井堀内御堂地」や「上今井内道忍跡屋敷」に該当すると思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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