裏切(読み)うらぎり

精選版 日本国語大辞典 「裏切」の意味・読み・例文・類語

うら‐ぎり【裏切】

〘名〙
① ひそかに敵方について味方にそむくこと。内通内応
※甲陽軍鑑(17C初)品三一「信玄公へ、御目に懸候へば、うらきりの事、あらはれて」
他人の期待や自分の予想などに反すること。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)三「併(しかし)島屋を極て裏切(ウラギリ)をしちゃア往(いけ)ねへぜ」
③ 飲酒法式の一つ。常の順に従わないで杯を回すことか。
※歌舞伎・紋尽五人男(1825)二幕「裏切り御順の乱れ飲み、肴(さかな)あらしに責めよせて」

うら‐ぎ・る【裏切】

〘他ラ五(四)〙
① ひそかに敵方について味方にそむく。敵に内通する。寝がえる。
和英語林集成再版)(1872)「ミカタノ モノガ テキニ uragiru(ウラギル)
② 他人の期待や自分の予想などに反する。
※大津順吉(1912)〈志賀直哉〉四「静かに慇懃に断ったつもりだった。所が、気分と体から来る不快が私の声帯で裏切って居たから」
③ (betray の訳からか) 自己の感情などをうっかり外に表わす。
※筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉二「眼球の上下せぬは文字を読みつつあらぬことをうらぎりしゐるなり」

うら‐ぎれ【裏切】

〘名〙 衣服の裏につける布。裏地

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