裂手症、裂足症(読み)れっしゅしょう、れっそくしょう(英語表記)Cleft hand, Cleft foot

六訂版 家庭医学大全科 「裂手症、裂足症」の解説

裂手症、裂足症
れっしゅしょう、れっそくしょう
Cleft hand, Cleft foot
(子どもの病気)

どんな病気か

 手・足の先天異常で、中央列(第2、第3、第4指・趾)が欠け、V字形裂隙(れつげき)(切れ込み)を形成した状態を指します。出生2万人に対し1人の頻度で、男児に多くみられます。形成障害(発育停止)に分類されますが、しばしば合指症(ごうししょう)を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられます。

原因は何か

 裂手症、裂足症は単独でみられることもありますが、先天奇形症候群(EEM症候群など)の症状の一部としてみられることもあります。

検査と診断

 出生時、診断はすでに明らかです。まず体に他の異常が合併していないかどうか、診察を受けます。整形外科専門医の診察を受け、手術可否、時期について相談します。X線撮影で指・趾骨(しこつ)形態を評価します。

治療の方法

 裂手症の手術は、美容上の改善と指の運動機能向上を目的としますが、この2つが両立しにくいこともあります。一般的には離れた指を引き寄せ、深い切れ目を浅くするとともに、合指を分離します。裂足症の手術は多くの場合、美容上の改善が主目的で、切れ目を閉鎖ないし狭くします。しかし、普通の靴がはけずに困る例もあります。このため時に骨切り術や装具療法も併用されます。

病気に気づいたらどうする

 小児の整形外科専門医の診察を受けます。

水口 雅

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android