衣笠城跡(読み)きぬがさじようあと

日本歴史地名大系 「衣笠城跡」の解説

衣笠城跡
きぬがさじようあと

[現在地名]横須賀市衣笠町

大善だいぜん寺のある東に突出た独立丘が城跡で、南・北・西側は深い谷が入り、東側が開口し大手口にあたる。自然地形を利用しながら、斜面に平場・土塁・堀切を築き、鞍部には土橋状の遺構も認められた。現在も坂口さかぐち出口でぐち・かんにゃぐち・ほうりぐちなどの城に関する地名が残る。

前九年の役の戦功で源頼義から三浦の地を与えられた三浦為通により、康平年間(一〇五八―六五)築かれたという。「吾妻鏡」治承四年(一一八〇)八月二六日条に、畠山重忠大軍を率いて来襲するというので、三浦一族は「悉以引籠于当所衣笠城」とある。この合戦で三浦義明は城内にとどまって死に、子の義澄以下は安房に逃れ、海上で源頼朝と合流し、それ以後三浦一族が重用されるきっかけとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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