行者還岳(読み)ぎようじやがえりだけ

日本歴史地名大系 「行者還岳」の解説

行者還岳
ぎようじやがえりだけ

弥山みせんの東北にある山。東西両方向から望んだ姿は鋭い三角形の岩峰で、南側は直立した岩壁である。大峯七十五靡五八番の行場。標高一五四六・二メートル。「木葉衣」には「石壁千丈。峨々たる所なり。桟道あり」と記す。役行者さえこの断崖を引返したというのは、熊野から金峯山きんぶせんへの順峯のことで、逆峯は断崖を下るので楽である。水場をもつ山小屋があるし、最近は上北山村のあまからの林道がここまで開けた。

大普賢だいふげん岳の中腹から南に下りる急斜面を「サツマゴケ」というが、享保一四年(一七二九)幕府の採薬使植村政勝がここを縦走した記録に「薩摩ゴケ、此所にて右国のもの死し候故かくの如く云ふなり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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