行水船(読み)ギョウズイブネ

デジタル大辞泉 「行水船」の意味・読み・例文・類語

ぎょうずい‐ぶね〔ギヤウズイ‐〕【行水船】

江戸時代行水する設備を設けた小船。のちには据え風呂浴室を設け、停泊中の船の人から料金をとって入浴させた。

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精選版 日本国語大辞典 「行水船」の意味・読み・例文・類語

ぎょうずい‐ぶね ギャウズイ‥【行水船】

〘名〙 入浴できるように据風呂(すえふろ)を設けた小船。江戸時代、港に停泊している船のあたりをこぎまわって、湯銭を取って船中の人々に入浴させたもの。江戸湯舟。
浮世草子日本永代蔵(1688)六「舟つきの自由させる行水(キャウスイ)舟をこしらへ刻昆布して」

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世界大百科事典(旧版)内の行水船の言及

【銭湯】より

…小舟の中に浴室を設け,停泊中の船の間を漕ぎまわり,湯銭をとって船員たちに入浴させたものである。西鶴の《日本永代蔵》にも書かれているように,それ以前にまず〈行水船〉というのがあり,それを改良して据風呂(すえふろ)を置いた〈据風呂船〉ができ,さらにそれが〈湯船〉になったものであろう,と山東京伝はいっている。風呂【鈴木 晋一】
[公衆浴場法]
 公衆浴場はおおぜいの人間が集合するところであり,衛生上の危害が生じるおそれがあるため,公衆衛生の見地から公衆浴場法(1948公布)による規制が加えられている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」