行悩(読み)ゆきなやむ

精選版 日本国語大辞典 「行悩」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐なや・む【行悩】

〘自マ五(四)〙
① 進むことに困難を感ずる。障害があって進めなくなる。進みかねる。いきなやむ。
源氏(1001‐14頃)朝顔「こほりとぢ石間の水はゆきなやみ空すむ月の影ぞながるる」
物事が思うように進まない状態である。はかどらなくなる。いきなやむ。
半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂鬼娘「それもお作一人で無し、ほか二人も死んでゐるんですからね。田町の子分共もこれには些(ちっ)と行(ユ)き悩(ナヤ)んでゐるやうでしたよ」

いき‐なや・む【行悩】

〘自マ五(四)〙
① 行くことに迷ったり悩んだりする。障害があって進むことに苦労する。ゆきなやむ。
② 物事がうまくはかどらないで、とどこおる。ゆきなやむ。

ゆき‐なやみ【行悩】

〘名〙 行きなやむこと。物事が思うように進まないこと。
断橋(1911)〈岩野泡鳴〉一七「今やこの自分の姿は放浪をとほり越して断橋の行き悩みになってゐる!」

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