蟹谷村(読み)かにがやむら

日本歴史地名大系 「蟹谷村」の解説

蟹谷村
かにがやむら

[現在地名]高津区蟹ヶ谷

東は明津あくつ村、井田いだ(現中原区)、西は久末ひさすえ村、南はこまはし(現横浜市港北区)、北は矢上やがみ川を境に子母口しぼくち村に接する。寺の下てらのした・コシマキやと上清水かみしみず・下清水などの小字がある。寛永二年(一六二五)一二月の小幡正次への知行宛行状(県史八)には「加丹羽村」とみえ、また「風土記稿」はかつて「神庭村」と称したと伝える。

天正一九年(一五九一)旗本小幡領、元禄一〇年(一六九七)以降幕府直轄領。慶応元年(一八六五)一一月の稲毛領山付村々年貢米買納願書(県史一〇)によれば、この年代官所は年貢米の石代金納に代わる正米納めを命じたが、当村ほか八村は、用水に乏しく御蔵へ納入する良米がとれないこと、近年は将軍上洛などにより助郷出役が過重で農作業に支障をきたし村民が困窮していること、当年は天候が不順で夫食にも事欠いていること、買納は古来認められた慣行であることなどを理由に石代金納を願出て、この年に限り認められている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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