藤戸(岡山県)(読み)ふじと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤戸(岡山県)」の意味・わかりやすい解説

藤戸(岡山県)
ふじと

岡山県南部、倉敷市の一地区。旧藤戸町。児島(こじま)半島の基部にあるが、かつて半島が本土と陸繋(りくけい)化する以前は児島の北岸にあり、本土とは藤戸の渡しで結ばれていた。1184年(元暦1)の源平藤戸合戦古戦場であり、佐々木盛綱(もりつな)が戦死者を供養した藤戸寺がある。また、この合戦を題材とした世阿弥(ぜあみ)作の謡曲『藤戸』がある。近世は藤戸寺の門前町金毘羅(こんぴら)往来の要地であり、また倉敷川の川湊(かわみなと)であった。

[由比浜省吾]

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