藤島町(読み)ふじしままち

日本歴史地名大系 「藤島町」の解説

藤島町
ふじしままち

面積:六二・五五平方キロ

庄内平野の中央に位置し、東は立川たちかわ町、西は三川みかわ町・鶴岡市、南は羽黒町、北は余目あまるめ町。南東から北西に向かって流れる京田きようでん川が立川・余目両町との境となり、町を南から北に貫流する藤島川が北部で三川町との境となり、町の南西をかすめるあか川が鶴岡市との境となっている。大部分が標高一二メートルほどの平坦地で、南東部の一部が出羽山地末端を含み、標高二五〇メートルくらいの山林である。平坦部には笹川ささがわ堰・因幡いなば堰・中川なかがわ堰が流れ、多くの支堰により約四〇〇〇ヘクタールの水田が灌漑され、庄内地方の代表的な水稲地帯となっている。西部をほぼ南北にJR羽越本線が通り、国道三四五号が鶴岡市と立川町を結ぶ。

南東部の丘陵近辺には、ごうはま新地しんち不動沢ふどうざわ野村清水のむらしみずなどの縄文遺跡がある。平形ひらかた遺跡群は、こはた・こふたなどの地名から出羽国府跡などに擬せられていたが、発掘の結果九―一〇世紀の墨書銘土器が出土し、平安時代から中世にいたる一般集落跡のみが確認された。「大泉庄三権現縁記」によると、大同二年(八〇七)羽黒山学頭宮目みやめ寺衆徒二千三〇〇坊が藤島にあり、保安二年(一一二一)藤原秀衡が同寺に三階塔を建立したことが記されているが確認できない。古郡ふるこおりを古代の郡衙跡とみる説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報