蕩・散(読み)とらく

精選版 日本国語大辞典 「蕩・散」の意味・読み・例文・類語

とら・く【蕩・散】

〘自カ下二〙
① ばらばらになる。散る。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「残れる骨并余れる髪の縦横(トラケ)て地の中に在るを見」
② 離れてなくなる。心の中のわだかまりがとけてなくなる。また、心の締まりがなくなる。
正法眼蔵(1231‐53)弁道話名利にはおもむきやすく、惑執とらけがたし」
固体のものの形が崩れる。また、固体が溶けて液体になる。とろける。
※俳諧・本朝文選(1706)五・序類、画楼絵合序〈許六〉「夏暑の六七月は、墨爛れ、膠とらけて、ゑがく日なし」

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