蒸返(読み)むしかえし

精選版 日本国語大辞典 「蒸返」の意味・読み・例文・類語

むし‐かえし ‥かへし【蒸返】

〘名〙 (「むしがえし」とも)
一度蒸したものを、さらにもう一度蒸すこと。蒸し返すこと。また、そのもの。
山吹(1944)〈室生犀星〉四「加茂川一帯の河原干飯の蒸し返しを命じた」
② 同じことを再び繰り返すこと。また、使用済みのものを何度も使うこと。
談義本・風流志道軒伝(1763)二「仏には巻藁ばかりをかざませ、剰(あまつさへ)むしがへしをくらわせ」
③ 一旦結着のついた事がらを再び持ち出すこと。
文学の根本問題(1958‐59)〈中島健蔵〉八「政治と文学の問題のむしかえしでもある」

むし‐かえ・す ‥かへす【蒸返】

〘他サ五(四)〙
① 一度蒸したものを、もう一度蒸す。再び蒸す。
浮世草子日本永代蔵(1688)四「蘓枋木の下染其上を酢にてむしかへし、本紅の色にかはらぬ事を思ひ付」
② 同じことを再び繰り返す。
※雑俳・川柳評万句合‐明和五(1768)梅二「むしかへす四百四町は又あら手」
③ 一旦結着のついた事がらを再び持ち出す。
方丈記私記(1970‐71)〈堀田善衛〉六「またまたという恰好で話がむしかえされて来た」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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