萱堂(読み)ケンドウ

デジタル大辞泉 「萱堂」の意味・読み・例文・類語

けん‐どう〔‐ダウ〕【×萱堂】

母を敬っていう語。母上。古く、中国の家で主婦部屋北堂と称し、その庭に萱草かんぞうを植えたところからいう。
「御―不幸之みぎり」〈鴎外訳・即興詩人

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精選版 日本国語大辞典 「萱堂」の意味・読み・例文・類語

けん‐どう ‥ダウ【萱堂】

〘名〙 (婦人の仕事部屋の前庭萱草を植えたところから) 母または、他人の母の尊称。北堂。
※翰林葫蘆集(1518頃)一一「謂予曰此我老萱堂遺像也」 〔葉夢得‐遣模帰視石林詩〕

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世界大百科事典(旧版)内の萱堂の言及

【石童丸】より

…説経《苅萱(かるかや)》に出てくる幼い主人公の名。《苅萱》のもとになる話は,中世の高野山の蓮華谷や往生院谷あたりの〈萱堂(かやんどう)〉に住む聖(ひじり)の間に生まれたもので,それが後に謡曲の《苅萱》と説経に分かれて展開したものである。説経《苅萱》の世界は,筑紫6ヵ国の所領と家族を捨てて,東山黒谷から高野山へのがれた苅萱を追って,御台所(みだいどころ)と石童丸が還俗を迫る話である。…

※「萱堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」