荒増(読み)あれまさる

精選版 日本国語大辞典 「荒増」の意味・読み・例文・類語

あれ‐まさ・る【荒増】

〘自ラ四〙
建物や庭などがますます荒れる。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「やどのいたまはあれまさり」
源氏(1001‐14頃)須磨「いとどあれまさらむほどおぼしやられて、殿のうちいとかすかなり」
気持がますます荒れる。うるおいがいよいよなくなる。
平中(965頃)三三「とる袖のなつくばかりにみえばこそ摘み野の駒もあれまさるらむ」
蜻蛉(974頃)上「かくありつづき、絶えずは来れども、心のとくる世なきに、あれまさりつつ、来てはけしきあしければ」

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