苗腐病(読み)なえぐされびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「苗腐病」の意味・わかりやすい解説

苗腐病
なえぐされびょう

イネの病気で、寒冷地の苗代で発生する。播種(はしゅ)直後の種子または発芽直後の幼苗に白色、綿毛状のカビを生じ、種子や幼苗が腐敗する。病原菌は鞭毛(べんもう)菌類に属する水生菌で、アクリヤ属Achlyaおよびピシウム属Pythiumの数種が知られている。水苗代の育苗が行われていたころは寒冷地では重要な病気であったが、機械移植の普及により育苗法が変わり、現在ではほとんど発生をみない。苗腐病はこのほかキンギョソウシクラメンにも発生する。いずれも幼苗が腐敗する。病原はキンギョソウではピシウム・スピノサムPythium spinosum、シクラメンではティエラビオプシス・バシコラThielaviopsis basicolaという糸状菌(カビ)である。

[梶原敏宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android