苅田(読み)かんだ

改訂新版 世界大百科事典 「苅田」の意味・わかりやすい解説

苅田[町] (かんだ)

福岡県北東部,京都(みやこ)郡の町。人口3万6005(2010)。北は北九州市に接し,東は周防灘に臨む。中西部は丘陵性山地が広く分布し,周防灘沿岸と南の小波瀬川沿いに沖積地が開ける。JR日豊本線と国道10号線が海岸部を走り,東九州自動車道の苅田北九州空港インターチェンジがある。九州最古の畿内型古墳石塚山古墳をはじめ古代遺跡群が多い。大正期にセメントの町として栄え,昭和に入り,石炭積出港の建設に着手,第2次世界大戦で中断されたが,戦後,臨海工業地造成を伴って完成された。臨海部に立地した電力,セメント,自動車産業など重化学工業が基盤産業で,苅田港は国際貿易港として発展している。西部のカルスト台地平尾台で採取された石灰石は,コンベヤで臨海工業地まで運ばれている。天然記念物の鍾乳洞青竜窟がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の苅田の言及

【苅田狼藉】より

…田の作物を苅り取ることは収穫という正当な行為である。他人と争いがあるときでも,自己に由緒ありという主張のもとにそれを行う〈苅田〉行為は,中世では自力救済として不法行為とはみなされなかった。イェーリングも自力救済は単なる力ずくの権利の回復であって,素朴な正義に深く根ざした実力行使として秩序ある司法制度と調和する必然性があると説いている。…

【検断沙汰】より

…検断沙汰は刑事裁判の一面にすぎない。苅田狼藉山賊盗み放火夜討【羽下 徳彦】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」