良恩寺(読み)りようおんじ

日本歴史地名大系 「良恩寺」の解説

良恩寺
りようおんじ

[現在地名]東山区粟田口鍛冶町

三条南裏にある。浄土宗西山禅林寺派。本尊阿弥陀如来。江戸時代の粟田口あわたぐち村の惣堂で、村民の間では念仏堂もしくは上之堂かみのどうの名で親しまれた。寺伝によれば創建は永禄七年(一五六四)青蓮しようれん(現東山区)の承仕渡辺氏が僧西谷に帰依して、おのれの宅地を西谷に寄せ、その弟子浄清が一寺を建立したという。はじめ天台宗青蓮院に属した。境内地蔵堂の導引みちびき地蔵尊は「足利尊氏公の守本尊、導の地蔵といふ名仏」(宝暦一二年刊「京町鑑」)とされ、作者は最澄とも、本尊と同じく小野篁とも、またもと常在光じようざいこう院の本尊であったとも伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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