船絵馬(読み)ふなえま

精選版 日本国語大辞典 「船絵馬」の意味・読み・例文・類語

ふな‐えま ‥ヱま【船絵馬】

〘名〙 船の航海安全を祈願し、船主船頭水主家族などが社寺に奉納する搭乗船を描いた絵馬江戸時代から明治時代、さかんに行なわれた。
[補注]「薩陽往返記事‐一・文政一二年五月二五日」に「次に祇園社〈略〉拝殿黒船絵馬〈寛永二年奉納南蛮船の図〉」とある。

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世界大百科事典(旧版)内の船絵馬の言及

【絵馬】より

…その画題は馬の図,神仏の像を描いた図,神仏を象徴する持物などを描いた図,神仏に縁故の深い眷属(けんぞく)などを描いた図,神仏の依代(よりしろ)・祭場・祭具などを描いた図,祈願内容を描いた図,礼拝姿を描いた図,干支を描いた図などがあり,そこには庶民の祈願の様相が具体的にあらわれている。 なお,日本の大絵馬のなかに,航海安全祈願あるいは海難救助の御礼に奉納した船絵馬がある。自分の船を画面の中央に描き,上に航海守護神である船霊様の像や金毘羅神の御幣を描いたものであるが,これと同じ図柄の奉納画がヨーロッパにもみられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」