精選版 日本国語大辞典 「水主」の意味・読み・例文・類語
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水手とも。船の乗組員。最も乗組員が多かった廻船では,船長である船頭(せんどう)のほかに,事務長である知工(ちく)・賄(まかない),航海長である表仕(おもてし)・楫取(かじとり),水夫長である親父(おやじ)など,船方三役とよばれる幹部船員と,一般船員である若衆や平水主,さらに見習い船員である炊(かしき)などの区別があった。北前船(きたまえぶね)の場合,一つの船に乗り組む水主は,出身地を同じくする者や血縁関係にある者で固められたという。水主雇用にあたっては,水主請状とよばれる契約書が取り交わされ,雇用契約を結んだ。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…一般には梶取,船頭などの上級船員に対して,その配下の下級船員を指すことが多いが,古くは船員の総称として用いられることもあった。〈水主〉とも書く。律令制下で国家貢納物の輸送には,海人・漁民などを徭役あるいは雇用して水手とした。…
…朝鮮出兵を命じられた諸大名は,それぞれの地域の条件に従って水軍を編成したが,これが海賊衆の組織化につながったと思われる。たとえば讃岐塩飽(しわく)島の海賊衆に対しては,水主(かこ)650人・船32艘をもって伊予・今治城主である福島正則につくべきことが秀吉より命じられている。石田三成らの奉行人層は,舟奉行として名護屋,壱岐,対馬,釜山に駐留して兵員の輸送にあたっていたが,彼らは直轄領の漁民などを水主として徴発し,諸浦の舟を回漕させて直属の水軍組織をもっていた。…
※「水主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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