臭化カルシウム(読み)シュウカカルシウム

化学辞典 第2版 「臭化カルシウム」の解説

臭化カルシウム
シュウカカルシウム
calcium bromide

CaBr2(199.89).炭酸カルシウム臭化水素酸に溶かし,濃縮すると六水和物が得られる.水素臭化水素の気流中で熱して脱水すると無水物となる.無水物は無色の斜方晶系結晶.融点760 ℃,沸点810 ℃.密度3.35 g cm-3吸湿性で水に易溶,酸,エタノールアセトン可溶.六水和物は無色の針状晶.融点38.2 ℃ で結晶水に溶ける.潮解性で,水,エタノール,アセトン,酸に易溶.化学的性質塩化カルシウムに類似する.写真,医薬品(鎮静剤)などに用いられる.[CAS 7789-41-5:CaBr2][CAS 13477-28-6:CaBr2・6H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臭化カルシウム」の意味・わかりやすい解説

臭化カルシウム
しゅうかかるしうむ
calcium bromide

カルシウム臭素化合物。炭酸カルシウムを臭化水素酸に溶解し、蒸発濃縮すると六水和物(無色の六方晶系。式量308.0、融点38.2℃、沸点149℃)として得られる。これを水素と臭化水素の混合気流中で脱水して無水和物とする。無色の結晶性固体。潮解性で、水に溶けやすい。エタノール(エチルアルコール)、アセトンにも可溶。写真用定着剤、医薬(中枢神経抑制剤、鎮静剤、鎮けい剤)として用いる。

[鳥居泰男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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