自己競落会社(読み)じこきょうらくがいしゃ

百科事典マイペディア 「自己競落会社」の意味・わかりやすい解説

自己競落会社【じこきょうらくがいしゃ】

返済に応じない債務者の不動産を処理するため,大蔵省が金融機関に100%出資での設立を認めた子会社。金融機関が貸出金などの回収のために担保権を行使して担保不動産を競売にかけ,応札者が競落しない場合,裁判所が提示した最低落札価格で金融機関の子会社である自己競落会社が落札する。落札した担保不動産は,付加価値をつけて,賃貸売却し,資金回収につなげる。これは不良債権の処理と不動産を流通させる方策のひとつとして1994年6月に設立が認められた。金融機関の抱える不良債権を処理する一時的な特別措置との考え方から,業務期間は1994年7月から2004年6月までの10年間,担保不動産を取得できる期間は設立後5年間,取得した不動産売却義務は原則5年以内の売却などの規制がある。→不良債権処理問題

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android