腭門・顎・顋・鰓(読み)あぎと

精選版 日本国語大辞典 「腭門・顎・顋・鰓」の意味・読み・例文・類語

あぎ‐と【腭門・顎・顋・鰓】

〘名〙
① 上あごと下あごとの間。また、あご。あぎ。
※白氏文集天永四年点(1113)四「両朶なる紅の顋(アキト)花綻びむと欲(す)
太平記(14C後)二九「落れば首を掻切て、あぎとを喉(のんど)へ貫き」
② (鰓) 魚のえら。あぎ。
※十巻本和名抄(934頃)八「鰓 唐韻云鰓〈蘇来反阿岐度〉魚頬也」
※宇治拾遺(1221頃)一三「魚大にしてうちとられねば、草苅鎌といふものをもちて、あぎとをかききりて」
[語誌]人間の顎も表わすが、むしろ動物の顎や魚のえらを意味するところに特徴がある。②に挙げた「十巻本和名抄」には「魚頬」すなわち、えらと説明されており、この用法後世まで見られる。→あぎあごおとがい

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