腐食疲れ(読み)ふしょくつかれ(英語表記)corrosion fatigue

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腐食疲れ」の意味・わかりやすい解説

腐食疲れ
ふしょくつかれ
corrosion fatigue

金属材料が腐食作用のある液体気体と接触しながら変動応力を受ける場合には,腐食作用のないときに比べて疲れ強さが著しく低下する。低下の度合いは環境の条件に強く依存する。また,高応力条件よりは低応力条件のときにより環境の影響を強く受ける。この現象を腐食疲れまたは腐食疲労といい,ポンプや排気用送風機の部品,舶用プロペラなどでしばしばみられる。特に腐食作用が激しいときには,S-N線図に水平部が現れないので,防食法をとらなければ小さな変動応力でもついには破壊する。原因としては腐食部分の応力集中と吸着分子による金属の表面エネルギー低下があげられる。

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世界大百科事典(旧版)内の腐食疲れの言及

【腐食】より

…電食をガルバニック腐食や電気化学的作用による腐食の意味で使うのは誤りである。 腐食疲れcorrosion fatigue(腐食疲労)腐食と繰返し応力との相乗作用によって生ずる金属材料の強度低下で,終局的には材料破壊に至る。 閉塞電池occluded corrosion cell(OCC機構)物質流動の点で外界から閉ざされ,電流のみが流れる状態にある場所では,腐食の進行に伴って塩濃縮が起こってpHが下がり,腐食の進行に好都合な条件となる。…

※「腐食疲れ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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