胡馬は北風に依る(読み)こばはほくふうによる

故事成語を知る辞典 「胡馬は北風に依る」の解説

胡馬は北風に依る

望郷の念にかられることのたとえ。

[使用例] 長嶺氏は埠頭に待ち受けて、直にホテル迄送り届けてくれた。〈略〉市中見物の車中で久し振りに故郷を談じた。胡馬北風いななくものである[原勝郎*両洋の潮沫|1920]

[由来] 「文選」に収録された、一世紀ごろに作られたと思われる作者不詳の詩「古詩十九首」の一節。遠く離れてしまった愛しい人に会えない悲しみを、「胡馬は北風に依る(中国の北の地方に広がる胡の国で生まれた馬は、遠く離れた南の地方にやってきても、故郷をなつかしんで北風が吹く方向に顔を向ける)」とうたっています。

[解説] 同じ詩のこの直後の句からは、「越鳥は南枝に巣くうという故事成語が生まれています。

〔異形〕胡馬は北風に嘶く。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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