聞食(読み)きこしおす

精選版 日本国語大辞典 「聞食」の意味・読み・例文・類語

きこし‐お・す ‥をす【聞食】

〘他サ四〙 (「きく(聞)」の尊敬語「きこす」と、「食う」の尊敬語「おす」の複合したもの)
① 召しあがる。お飲みになる。
万葉(8C後)一三・三二三四「やすみしし わご大君 高照らす 日の皇子(みこ)の 聞食(きこしをす) 御饌(みけ)つ国 神風伊勢の国は」
読本春雨物語(1808)血かたびら「御台まいらす。よくきこしをして」
② お治めになる。
※万葉(8C後)五・八〇〇「この照らす 日月の下は 天雲の 向伏(むかぶ)極み 谷蟆(たにぐく)の さ渡る極み 企許斯遠周(キコシヲス) 国のまほらぞ」
[補注]①の「万葉‐三二三四」については、「(御饌つ)国」を修飾するものとして、②の意とする説もある。

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