聞遣(読み)きこえやる

精選版 日本国語大辞典 「聞遣」の意味・読み・例文・類語

きこえ‐や・る【聞遣】

〘他ラ四〙 (「いいやる(言遣)」の謙譲語)
① 申しあげたいことや、申しあげるべきことをすっかり申しあげる。残りなく申しあげる。下に否定表現を伴うことが多い。
源氏(1001‐14頃)桐壺「うつくしげなる人の、いたうおもやせて、〈略〉言(こと)にいでてもきこえやらず」
納得のいくように、十分ご説明申しあげる。
※源氏(1001‐14頃)若紫「宮の渡らせ給はんには、いかさまにかきこえやらん」
言葉消息を先方にお伝え申しあげる。
※源氏(1001‐14頃)夕霧「今はかくあさましき夢の世を、少しも思ひさますをりあらばなん、絶えぬ御とぶらひもきこえやるべき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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