聞言(読み)きこえごつ

精選版 日本国語大辞典 「聞言」の意味・読み・例文・類語

きこえ‐ご・つ【聞言】

〘他タ四〙 (「ごつ」は「言(ごと)」を活用させたもの。一説に「言す」の変化したものとも)
① 願い、希望、訴えたい思いなどを言葉に託して申しあげる。願いごとを申しあげる。結婚の希望などを(多く女のがわから)申しあげる。
蜻蛉(974頃)上「『木綿(ゆふ)だすき結ぼほれつつ嘆くことたえなば神のしるしと思はん』などなん、神の聞かぬところに、きこえごちける」
源氏(1001‐14頃)横笛「思はん人にいかで伝へてしがなとをりをりきこえごち給ひしを」
② わざと聞こえるように申しあげる。非難めいたことを、なかば公然と口に出して申す。聞こえよがしにぶつぶつ申す。
※枕(10C終)一〇四「『あしかめり。うしろめたきわざかな』ときこえごつ人々もをかし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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