20世紀日本人名事典 「緒方 知三郎」の解説
緒方 知三郎
オガタ トモサブロウ
大正・昭和期の病理学者 東京帝国大学名誉教授;東京医科大学名誉学長。
- 生年
- 明治16(1883)年1月31日
- 没年
- 昭和48(1973)年8月25日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 東京帝大医科大学〔明治41年〕卒
- 学位〔年〕
- 医学博士〔大正4年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 帝国学士院賞〔大正15年〕,帝国学士院恩賜賞〔昭和19年〕,文化勲章〔昭和32年〕
- 経歴
- 明治41年東京帝大病理学教室に入り、山極勝三郎に師事。43年ドイツ留学、大正2年助教授。4年「輸精管結紮及びイクテローゲン中毒に際する肝硬変及び黄疸の発生」で医学博士。12年に教授。18年に定年退官、名誉教授となる。21年東京医科大学学長兼理事長、学士院会員。27年に辞任、同大学名誉学長。43年には日本医科大学に迎えられ、老人病研究所長兼任。国民病といわれた脚気の研究から鳥類白米病、唾液腺内分泌、カシン・ベック病など多方面の業績をあげ、大正15年島薗順次郎と共に「ビタミンB欠乏症についての実験的研究」で学士院賞、昭和19年「唾液腺内分泌に関する研究」で学士院恩賜賞、31年には文化勲章を受章した。著書に「病理学総論」「病理学入門」「常用医語事典」など多数。趣味も広く奇術が得意で東京マジシアンズ・クラブ会長も務めた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報