綾羅木郷台地遺跡(読み)あやらぎごうだいちいせき

日本歴史地名大系 「綾羅木郷台地遺跡」の解説

綾羅木郷台地遺跡
あやらぎごうだいちいせき

[現在地名]下関市大字綾羅木

綾羅木の北西部、綾羅木台地の古砂丘に立地する。この一帯は東西約五〇〇メートル、南北四五〇メートル、水田面からの比高が九メートルから一三メートルの洪積段丘で、西北端付近に若宮わかみや古墳とよぶ前方後円墳と陪塚がある。

この遺跡の東端にあたる小字寺屋敷てらやしきから、明治二二―二三年(一八八九―九〇)頃、弥生式土器や石斧が発見された。昭和二五年(一九五〇)以降に地元研究者らが調査、弥生時代から古墳時代の遺跡や遺物の存在が確認された。

昭和三〇年、遺跡の東寄りの約二一〇平方メートルの区域を発掘調査、その結果、耕土の砂層から弥生式土器土師器須恵器磁器などの破片と瑪瑙・黒曜石・岩の剥片を、赤土洪積層を掘り込んだ弥生前期の竪穴住居跡二基、土壙一三基や古墳終末期の柱穴一四個のほか近世のくぼみ穴などを検出。このほか弥生前期の土製紡錘車・石斧・石鑿・石包丁・磨製石鏃や炭化米も出土し、七号竪穴で甕と壺を用いた五個体分の壺棺の収納状態が明らかにされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

防府市歴史用語集 「綾羅木郷台地遺跡」の解説

綾羅木郷台地遺跡

 下関市綾羅木の少し小高い場所にあり、貯蔵穴[ちょぞうけつ]がたくさん見つかっています。貯蔵穴[ちょぞうけつ]の1つから、入れ墨いれずみ]をほった顔をまねた土製品が見つかり、県指定の有形文化財になっています。

出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報

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