絶対映画(読み)ぜったいえいが(英語表記)absolute film

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶対映画」の意味・わかりやすい解説

絶対映画
ぜったいえいが
absolute film

ダダイスム影響を受け,幾何学的な線やフォルム,抽象的なパターンを見せる映画ドイツでは V.エッゲリング,H.リヒター,W.ルットマンらが,フランスでは F.レジェ,R.クレールらが 1920年代にこの種の作品を発表している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「絶対映画」の意味・わかりやすい解説

絶対映画
ぜったいえいが

実験映画

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の絶対映画の言及

【アバンギャルド】より

…しかし,アンリ・ラングロアはこれらの作品をドイツ表現派と対比するため〈フランス印象派〉と名づけ,映画史ではこの分類が定着しつつある。
[理論と手法]
 アバンギャルド映画の形成にはV.エゲリングの〈絶対映画〉やH.リヒターの〈抽象映画〉の強い影響があり,フランスのジェルメーヌ・デュラック(1882‐1942)の〈純粋映画〉〈完全映画〉の理論とも結びついている。完全映画の理論は,感覚のみが形や線や表面を抽象に向かって整理するとし,映画はスクリーンに投げ出されたリズムづけられイメージから成立する視覚的シンフォニーを追求するととらえる。…

【サイレント映画】より

…また,ドイツ映画の黄金時代(古典時代)を代表するフリードリヒ・W.ムルナウの《最後の人》(1925)は,文学的な借物であるタイトル(字幕)を排除し,カメラを自由奔放に駆使して映画以外の手段では不可能な映画的表現を開拓した。映画を純視覚的な時間芸術に還元するドイツの〈絶対映画〉や,純粋に感性的で視覚的なリズムの芸術としてのフランスの〈純粋映画〉も現れた。そして,映画の生命として発見された〈モンタージュ〉を〈映像による思想の伝達手段〉として理論化し実践したソ連で,世界の〈サイレント映画〉時代を代表する作品《戦艦ポチョムキン》(1926)がつくられた。…

※「絶対映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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