純信/お馬(読み)じゅんしん/おうま

朝日日本歴史人物事典 「純信/お馬」の解説

純信/お馬

江戸末期の恋愛事件の主人公。安政5(1858)年,土佐国(高知県)高知城下の目貫通り播磨屋橋近くの小間物屋で,土佐随一の名刹竹林寺の僧純信(生没年不詳)が簪を買って噂となり,相手は大工町の鋳掛屋の娘で茶汲み女のお馬(生年不詳~1903.12.15,享年64歳あるいは65歳とも)と知れて,「よさこい節」の一節として唄い囃された。しょせん,これは実らぬ禁断の恋ゆえ,ふたりは駆け落ちして讃岐国(香川県)の琴平に逃げたが,連れ戻されて純信は藩外追放となり,お馬も所払いの刑に処せられて江戸に出,以後は平穏な余生を送った。

(宇田敏彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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