紀美野(町)(読み)きみの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紀美野(町)」の意味・わかりやすい解説

紀美野(町)
きみの

和歌山県北部、海草(かいそう)郡にある町。2006年(平成18)海草郡野上(のかみ)、美里(みさと)の2町が合併して、紀美野町となった。中央を貴志(きし)川、北部を支流の真国(まくに)川(鞆淵(ともぶち)川)がほぼ西流する。山間地域で、森林が総面積の75%を占める。貴志川沿いに国道370号(高野参詣(さんけい)路)が通じ、主要地方道美里龍神(りゅうじん)線(旧、龍神街道)が神野市場(こうのいちば)で分岐する。この立地条件により神野市場は中世以来市場町として栄えた。かつてはシュロ栽培とその加工が盛んであったが、いまは果樹栽培や養鶏、和雑貨生産にかわっている。野上八幡神社(のかみはちまんじんじゃ)(野上八幡宮)は石清水(いわしみず)八幡宮の別宮で、本殿拝殿など5棟が国の重要文化財に指定されている。また、十三(じゅうさん)神社および同社の摂社丹生(にう)神社・八幡神社の各本殿も国指定重要文化財。南西部に広がる生石(おいし)高原は県立自然公園になっている。面積128.34平方キロメートル、人口8256(2020)。

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