日本大百科全書(ニッポニカ) 「野上(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説
野上(和歌山県)
のかみ
和歌山県北部、海草郡(かいそうぐん)にあった旧町名(野上町(ちょう))。現在は紀美野町(きみのちょう)の西部を占める地域。旧野上町は、1955年(昭和30)東野上町が志賀野(しがの)村を編入して成立。同年小川村を合併。2006年(平成18)美里(みさと)町と合併、紀美野町となった。地域は、紀ノ川の支流野上川(貴志(きし)川)上流域を占め、旧町名はこれによる。生石ヶ峰(おいしがみね)北麓(ほくろく)から貴志川北岸にわたる山間地。国道370号が通じる。中世は石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)領で、その別宮の野上八幡神社があり、同社の本殿、拝殿などは国指定重要文化財。高野参詣(こうやさんけい)路と旧龍神(りゅうじん)街道が分岐する。シュロ栽培加工が盛んであったが、いまは和雑貨生産にかわった。果樹栽培が盛んで、近年ではウメが増加している。南部は生石高原県立自然公園となっている。
[小池洋一]
『『野上町誌』全2冊(1985・野上町)』
[参照項目] |