糸割符仲間(読み)いとわっぷなかま

山川 日本史小辞典 改訂新版 「糸割符仲間」の解説

糸割符仲間
いとわっぷなかま

江戸時代,長崎の生糸貿易で特権を与えられた5カ所の直轄都市の有力商人。1604年(慶長9)糸割符の成立期に堺・京都・長崎,さらに31~33年(寛永8~10)江戸と大坂を加えた5カ所の商人仲間は,輸入白糸(中国産生糸)を一括購入し,それを一定比率で仲間全員に分配する特権を付与された。各都市の糸割符年寄を代表とし,5カ所の都市の富裕かつ有力な商人で組織された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の糸割符仲間の言及

【糸割符由緒書】より

…江戸時代,幕府より生糸貿易の特権を与えられた糸割符仲間が,随時幕府や関係機関の求めに応じて,糸割符の成立事情,幕府に対する貢献や幕府より与えられた諸特権,糸割符制度の変遷などについて報告したもの。糸割符制度の成立や内容を知る貴重な史料であるが,生糸貿易について見ると,糸割符仲間との関係や徳川家康以来の諸特権が強調され,それを維持しようとする主張が露骨で,その他の生糸貿易にはほとんどふれていない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」