粽・茅巻(読み)ちまき

精選版 日本国語大辞典 「粽・茅巻」の意味・読み・例文・類語

ち‐まき【粽・茅巻】

〘名〙
① (「ち(茅)まき(巻)」の意で、古く茅(ちがや)の葉で巻いたところからいう) 笹やまこもで、もち米・うるち米の粉を巻き、長円錐形に固めて藺草(いぐさ)で巻いて蒸した餠。端午節供に食べる習慣は、楚人が、五月五日に汨羅(べきら)の水に投身した屈原をあわれんで、竹の筒に米を入れて汨羅の水に投げる遺風がその起源という。かざりちまき。《季・夏》
※新撰字鏡(898‐901頃)「粽〈略〉知万支」
※古今著聞集(1254)一八「五月五日、人々にちまきをくばりけるに」
② 柱の上部、あるいは上下が丸みをもってすぼまった部分。奈良時代のものは上にだけあり、上下にあるのは鎌倉時代から始まった唐様建築の手法。ちまきがた。
※匠明(1608‐10)堂記集「唐用三間仏殿〈略〉上下粽(チマキ)は拾面に丸めへし」
[補注]①を五月五日に食べる風習の起源としては、別に天竺(てんじく)の蘇民将来が牛頭(ごず)天王のために巨旦将来を退治した時、巨旦の髪の毛が粽のようだったので、彼が投身した五月五日に粽を食べるようになったという伝承もある。また、粽の長巻は巨旦の舌になぞらえて食べるのだとも伝承されている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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