粗相・疎相・麁相(読み)そそう

精選版 日本国語大辞典 「粗相・疎相・麁相」の意味・読み・例文・類語

そ‐そう ‥サウ【粗相・疎相・麁相】

〘名〙
① (形動) そまつなこと。粗略なこと。また、そのさま。
※栄花(1028‐92頃)若ばえ「扇なども、賜はせたらんは、そさうにぞあらむかしなど思て、〈略〉我絵師にかかせなどしたる人は」
※虎明本狂言・鍋八(室町末‐近世初)「是へもってまいったあさなべは、そさうなで御ざるが」
② (形動) そそっかしいこと。軽率なふるまいをするさま。粗忽(そこつ)
※寸鉄録(1606)「威なくかるがるしくそさうなれば」
浄瑠璃・国性爺合戦(1715)唐船「石を袂にひろひ入岩ほの肩によぢのぼれば、かけあがって和藤内いだきとめて、ヤイこりゃそさうすな心てい見付た」
③ (形動) あやまちをすること。失敗するさま。しくじり。不注意。粗忽。
※波形本狂言・忠喜(室町末‐近世初)「さて余の相(ソソウ)とはちがう程に、身に刃物をあてる事じゃ」
咄本・都鄙談語(1773)入歯傍輩衆と狂ひやして、麁相(ソサウ)で柱へ前歯を打つけやして、つい欠(かけ)やした」
④ (形動) ぶしつけであること。また、そのさま。失礼。非礼。粗忽。
※浄瑠璃・大経師昔暦(1715)中「内の首尾を聞合せず案内するも麁相(ソサウ)なりと軒に立寄うかがへば」
⑤ (━する) 大・小便をもらすこと。
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟「無念ながらも嬉しかりけり みどり子が我にだかれつささうして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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