箱館医学所跡（読み）はこだていがくしよあと

日本歴史地名大系

箱館医学所跡
はこだていがくしよあと

• 北海道：渡島支庁
• 函館市
• 旧函館区地区
• 函館
• 坂町
• 箱館医学所跡

[現在地名]函館市船見町

安政五年（一八五八）に蝦夷地在住を命じられた幕府医官栗本匏菴や同じく在住の医師塩田順庵らが中心となって山ノ上（やまのうえ）町の坂（さか）町（現在の姿見坂上）に設立された病院で、道南地方の中核病院である現在の市立函館病院の母体となった。匏菴は万延元年（一八六〇）ロシア領事館による病院建設の風聞を聞き、日本人医師による医療施設の設立に奔走する。同年冬には上棟式を行ったが、風雪により倒壊、翌文久元年（一八六一）春に落成した。診療所・調薬室・講堂・男女病人寄留所などを備えたこの施設は「医学所兼病院」などとも記されるが（文久二年廉分帳）、一般には箱館医学所とよばれた。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」