箕箒の妾(読み)きそうのしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「箕箒の妾」の意味・わかりやすい解説

箕箒の妾
きそうのしょう

人妻の謙譲語。「ちり取り(箕)とほうき(箒)の下女」の意。中国、漢の初代の皇帝高祖(劉邦(りゅうほう))が、まだ若く微賤(びせん)であったころ、彼の人相を占った呂翁(りょおう)が、「季(若者)が相に如(し)くはなし。願わくば、季自愛せよ。臣に息女あり。願わくば、季が箕箒の妾となさん」といって、娘を劉邦に与えた、と伝える『漢書(かんじょ)』「高祖紀」の故事によるもの。この娘が呂后で、2代皇帝恵帝の母である。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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