箔屋番(読み)はくやばん

日本歴史地名大系 「箔屋番」の解説

箔屋番
はくやばん

[現在地名]博多区店屋町てんやまち

竹若番たけわかばんの北にあり、南北に延びる西町筋の両側町。西は厨子町下ずしまちしも、北は店屋町下・古小路こしようじ町の通り(福岡博多近隣古図)。元禄三年(一六九〇)の家数三六(続風土記)。明和三年(一七六六)の家数三九・間数一一二間余(石城志)。慶応二年(一八六六)の家数二五(博多店運上帳)町名は光田某が箔製をしたことに由来するといい、光田氏はのちに半田と改め、家紋には箔紙を付けたという(続風土記拾遺)。当町と店屋町下・古小路町の町筋に古くから辻井戸がある。豊臣秀吉により博多に流された京都大徳寺古渓宗陳が「水の印」を結んだ井戸(続風土記拾遺)、安倍晴明が「大難除ケ之秘法」を封じ込めた井戸などの伝承があり、数十年埋もれていたが、度々の火災をきっかけに三町が願出て宝暦六年(一七五六)掘上げた(津要録)。天保七年(一八三六)豊後日田の商人丸屋与一が半鐘付きの火の見梯子を寄付した福博両市中一〇ヵ所の一町。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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