竜良山・天道山(読み)たてらやま・てんどうさん

日本歴史地名大系 「竜良山・天道山」の解説

竜良山・天道山
たてらやま・てんどうさん

豆酘つつ内山うちやまの間にあり、標高五五八・五メートルの嶽を中心に五〇〇メートル級の峰が連なる。天道信仰の霊山で、禁忌の強い聖地である。「津島紀略」には多良峯とみえ、豆酘郷と与良よら郷の間に雄峯・峯があり、南面の卒土そとの内とよばれる谷に天道法師の墓があることから、天道山とも称される。文武天皇のとき対馬島から黄金を貢進して大宝と改元したが(「続日本紀」大宝元年三月二一日条)、「津島紀事」はその産金は竜良山であるとする。雄嶽の南東山腹にカネホリノクマという地名があり、古坑とみられる穴もあることから、竜良の名をタタラの転訛とする説もある(同書)

正平九年(一三五四)一一月五日のなりミつ等連署起請文案(島居巌文書)に対馬の鎮守両八幡三所大菩薩、二八〇余社の大小神とともに、別して「つゝのてん道の御はち」をこうむると記している。同一一年一〇月二〇日にも同様に「つゝの天道」の御罰を各人の四四の継目、三三の折骨、八万四千の髪の毛の穴ごとにこうむるという起請文(同文書)が「あきくに」ら四人により作成されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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