穎才新誌(読み)えいさいしんし

精選版 日本国語大辞典 「穎才新誌」の意味・読み・例文・類語

えいさいしんし【穎才新誌】

雑誌。明治一〇年(一八七七創刊山田美妙尾崎紅葉、田山花袋ら多くの文学者を育てた青少年向けの代表的投稿雑誌。明治三四年(一九〇一廃刊

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改訂新版 世界大百科事典 「穎才新誌」の意味・わかりやすい解説

穎才新誌 (えいさいしんし)

明治期の投書雑誌。1877年3月10日,東京の製紙分社から創刊。《団々(まるまる)珍聞》《芳譚雑誌》のように投書を重視する雑誌が多かった明治初期に,小学校生徒の作文を中心にした青少年の本格的な投書専門誌として出発。投書内容は,修身や立身出世を扱った教科書風の紋切型が多かったが,しだいに文学色を濃くしていった。ほぼ週刊で,末期の1901年ごろには月刊となる。尾崎紅葉,大町桂月,田山花袋ら明治の文学者の多くが本誌の愛読者,投稿者であり,文学愛好の青少年に投稿を習慣づけることによって,明治文学の基盤づくりに寄与した。
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世界大百科事典(旧版)内の穎才新誌の言及

【投書】より

…明治初期では有力な投書家が記者としてスカウトされることが珍しくなく,投書家から政治家,文学者などが輩出した。この当時の盛んな投書ブームは,《穎才(えいさい)新誌》(1877創刊)に代表される投書雑誌を生んだ。明治30年代前半には,はがき投書が流行した。…

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