種里城(読み)たねさとじょう

日本の城がわかる事典 「種里城」の解説

たねさとじょう【種里城】

青森県西津軽郡鯵ヶ沢(あじがさわ)町にある山城(やまじろ)。国指定史跡。1491年(延徳3)に、久慈(現在の岩手県北東部の久慈市)から種里に入部した津軽藩の始祖大浦光信(おおうらみつのぶ)が、同年に拠点として築いた山城で、津軽氏発祥の地として知られている城である。城の前には赤石川が流れ、背後は大柳沢山嶺となっている。光信はその後、大浦城を築いたが、次の当主の大浦盛信は、その大浦城を本拠に定めたため、種里城は使用されなくなった。その後も種里城は津軽氏の聖地として大切に保存されてきたが、明治時代に入って、その遺構は破壊されてしまった。この城の本丸跡の南西部に光信の霊墓があり、南部曲り家風の「光信公の館」(御廟館)が建てられている。近くには、光信が1523年(大永3)に建立した種里八幡宮の初代宮司を務め、のちに殉死した奈良主水貞親(ならもんどさだちか)の墓もある。JR五能線鰺ヶ沢駅からバス40分、城址公園前下車。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の種里城の言及

【鰺ヶ沢[町]】より

…赤石川,中村川流域では米作,岩木山北西麓や鳴沢ではリンゴ栽培が盛ん。赤石川上流の種里城跡は津軽氏の祖大浦光信が築いたもので,津軽氏発祥の地とされる。【佐藤 裕治】
[鰺ヶ沢湊]
 津軽藩の港町で,同藩四浦の一つ。…

※「種里城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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