私郷(読み)きさいちごう

日本歴史地名大系 「私郷」の解説

私郷
きさいちごう

和名抄」には「和」と記されるが、「私」の誤写とされる。訓を欠く。「大日本地名辞書」は「私部きさきべ郷」とし、現いわき市常磐の船尾じようばんのふなお湯長谷ゆながやにあてる。「日本地理志料」は「和戸」とする。「日本書紀」敏達天皇六年二月一日条に「詔して日祀部・私部を置く」とあり、皇后の部民に由来する。天平一〇年(七三八)の駿河国正税帳(正倉院文書)に「従陸奥国進上御馬部領使国画工大初位下奈気私造石島」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報